顔相鑑定士・顔研究家・顔面評論家:池袋絵意知 公式ブログ

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第17回 日本顔学会大会「フォーラム顔学2012」@東京電機大学
10月13日(土)〜14日(日)は第17回 日本顔学会大会「フォーラム顔学2012」でした。

昨年の「フォーラム顔学」は新潟県で開催されたこともあって不参加で、2010年以来となりました。

第15回日本顔学会大会「フォーラム顔学2010」の時のブログ

詳しくは時間の出来た時に改めて「ふくろう日記」で振り返るとして、
と書いていたのですが、振り返ってないですね。


今回はちゃんと振り返ります!
(ちょうど開催から1ヶ月が経ってしまいましたが…)

※私の本職に関係する「表情研究」や「顔印象の研究」はもう10年以上聴いてきてたので、「感じた」ことを中心に振り返ります。


会場の東京電機大学 東京千住キャンパス。
東京電機大学.JPG
近代的でクリーンな会場で、研究発表に聴くには最高の環境でした。
フォーラム顔学2012.JPG

まずは第1日目。

大会長:村上伸一先生(東京電機大学)、学会長:輿水大和先生(中京大学)からの開会の挨拶後、発表者からの簡単な挨拶。

小河原智子似顔絵.JPG

ハッピーフェイス.JPG

大岡立.JPG
大岡立さんの名古屋弁での熱弁が良かったです。

【南芳高の「最高表情の似顔絵」】の南さんは「今回は学生時代にノートや紙の切れ端に落書きした感覚をテーマに」ということで、「弘法筆を選ばず、南芳高紙を選ばず。」と挨拶。

●口頭発表1『これまでの顔』

【仏像眼裂造形表現の数量解析】
仏像の顔貌は、「悟った者」の精神世界を表象するための表情造形の場であった。眼裂は、形而上表現の対象部品として、主たる役割を担ってきた。
→顔は何らかの意図的に表現されている。
仏像.JPG


【徳川将軍親族の顔:いわゆる貴族化】
正室、側室、江戸庶民の比較。正室は頭が広い、下ほどが狭い。
食生活の影響で顔が細くなって華奢な顔に。

大奥の女性…顔が狭く鼻が高い→浮世絵に見られるような瓜実顔が誕生したのだろう。
馬場先生.JPG

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【南芳高の「最高表情の<らくがき>似顔絵(脱サラ20周年)」】
南さんの似顔絵.JPG

「日本顔学会誌2012」が送られてきた時のメール便の送付表に書いてもらいました。

2年前の私の写真と比べていただけるとわかると思いますが、贅肉が減って健康的になったことがわかると思います。

似顔絵のほう髪の毛がミルククラウンのような感じでした。

南さんには2001年10月から始まって2004年9月、2006年9月、2007年9月、2010年10月と描いていただいていて、今回が6回目。最初の年から10年以上が経ち、6回目にして初めて漫画タッチの似顔絵になりました。
2001年、2004年、2006年、2007年、2010年、2012年の11年の変化をご覧ください。
http://www.ikebukuroh.com/diary061005.htm#2006minami
http://www.ikebukuroh.com/diary071227.htm
http://blog.ikebukuroh.com/?eid=326
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●口頭発表2『顔の応用』

【ロボットにもあった流し目効果】
前日本顔学会会長の原島先生が「白目のあるロボットは見かけない」
発表者の上田博唯教授(京都産業大学)「リアルになって不気味になる」

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【ハッピーフェイスフォト HappyFacePhoto 中村年孝(寫眞家)】
中村ハッピーフェイス.JPG
この日もバリバリ撮ってました!

【小河原智子の「NIGAOE EXPO in 東京電機大」】
似顔絵スクールの生徒さんによる無料似顔絵コーナー。

警視庁似顔絵捜査官が似顔絵を描いてもらってるところを、離れた位置からパパパッと隠し描きする小河原さんを、似顔絵を描かれながら隠し撮りする私!
小河原智子.JPG

初老の男性を可愛く描いていた韓国人の呂さんに私も書いてもらうことに。
「ヒゲが難しい」と言っていた呂さん。何度も首をひねりながら「ああ、違う」と苦戦していました。
途中を見ていた小河原さんも首をひねり…。
出来上がった似顔絵はこちら。
呂さんの似顔絵.JPG
似顔絵の顔に私が似させて顔を作ったかのような写真になっています。


【 若手企画イベント「今後の顔学の発展に向けて」】
若手企画.JPG

○○分野の研究となると、
「顔」×「工学」
「顔」×「心理学」
「顔」×「美容」
だが、それぞれ共通のテーマで研究できることもあり、今後の顔学会の発展にむけて動いていこうということでした。

私的には「中洲さんが顔学会に帰ってきてくれた!」という感じでした。


東京大学工学部の大学院生でありながら、星の子プロダクション所属似顔絵アーティストとしても活躍していた中洲俊信さん…

詳しくは、中洲さんのブログをご覧ください。


今後の展開が楽しみです!


特別講演 1
【『顔の錯視』北岡明佳(立命館大学文学部教授)】

ユーモアたっぷりに錯視の面白さをお話ししてくださいました。

眉が太いと目がパッチリ見える錯視。

顔のどこに明暗をつけるかで見え方が変わってくることがわかってとても興味深かったです。

離れ目(魚目)の人が余計に魚目になったり、逆に緩和されたり。

目の下を白くするだけで怒っているように見える。

特に目の周りはどこに明度を低くするか(明るさの錯視)によって全然顔の印象が変わり、メイクの応用に使えると思いました。

もともと人はやや左の視線を見る。

アイシャドウによる視線方向の錯視。
下瞼にアイシャドウをつけると視線は上向きに、
上瞼にアイシャドウをつけると視線は下向きに見え、
目のまわり左半分にアイシャドウをつけると視線は右向き(観察者からは左方向)に見え、
目のまわり右半分にアイシャドウをつけると視線は左向き(観察者からは右方向)に見える。

「明るいアイシャドウ」をつけると、それぞれ上記とは逆方向に視線方向が変位して見える。

モーニング娘。の田中れいなさんは、配置は離れ目なのに黒目は中央に寄った内斜視で、更に左右で目の高さが違っているのですが、錯視を利用したメイクによって、絶妙のバランスにしているんだと思います。
(左右で目の大きさや形が違う綾瀬はるかさんもしかり)


北岡明佳の錯視のページ
http://www.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/


第17回日本顔学会大会(フォーラム顔学2012)の発表に使用したウェブページも公開されていますので、ぜひご覧になってみてください。
http://www.psy.ritsumei.ac.jp/~akitaoka/kaogaku2012.html


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懇親会

獅子舞演舞
足立区郷土芸能保存会内「千四会」の皆さんによる神田囃子
懇親会1.JPG

懇親会2.JPG
懇親会3.JPG

懇親会4.JPG


「人間の頭蓋骨(特に男性)は40歳を過ぎても成長して大きくなる」のは何故か?

について、顔学会初代会長で人類学者の香原志勢先生に質問させていただいたところ、
「そうじゃないんです。頭蓋骨のつなぎ目の“縫合線(ほうごうせん)”によって形が変わるんです。大きくなった部分があるぶん、他のところが小さくなるんです。」
「歳を取ったお坊さんの頭を見てご覧なさい。みんないびつな形をしてるでしょ。年を取って頭蓋骨の形が変わるのは老化現象の1つなんです。」
とのことでした。

額(前頭葉)の部分が年を追うごとにどんどん前に出てきてもっこり盛り上がってきた
と感じていたのですが、改めて自分の頭を触ってみると、もともと絶壁の後頭部の上のほう、旋毛(つむじ)の部分が昔より凹んだような感じがします。

毎月行っている「クラシックバンク」(りそな銀行主催のクラシックコンサート)は年配の方が多く、前頭部が禿げていて丸坊主の人を多く観察できるので見てみたところ、後頭部の旋毛(つむじ)の部分が凹んだような人が多かったです。

調べてみたところ、頭蓋骨は23枚骨で構成されていて、それらのつなぎ目である“縫合線(ほうごうせん)”は年を取ると徐々に隙間が開いてくるという説もありました。

私が昨年見た説は、頭蓋骨肥大によって面積に対する髪の毛の本数が少なくなる関係で髪が薄く見えたり、頭皮が硬くなることで髪が抜けるということでした。

香原志勢先生が人類学の第一人者であることを考えると、“縫合線(ほうごうせん)”が開くことで頭のある部分が大きくなり、別の縫合線が閉じて頭のある部分が小さくなって形が変わっていくようです。

男性・女性の差異(男性でも頭の形が変わる人とそうでない人の個人の差異)は、女性ホルモン、男性ホルモンの違いによるようですね。


原島博先生(前日本顔学会会長、東京大学名誉教授)の「第10回産学官連携功労者総務大臣賞」受賞の報告がありました。
懇親会6.JPG
受賞案件名「超臨場感コミュニケーション技術の研究推進及び成果展開」

原島先生、おめでとうございました!

学会役員の方がご推薦のお酒を用意してくれていたのですが、
富山県出身の日本顔学会副会長の菅沼薫先生は富山の日本酒「立山」を提供してくれていました。
私も大好きな日本酒なので、おいしくいただきました。



懇親会後は1人新宿ゴールデン街のいつもの店に!


14日(日)の第2日目。




【大岡立の『似顔絵描きます』】

過去2回(2004年、2006年)もそうですが、
http://www.ikebukuroh.com/diary061005.htm
今回も優しい顔に!

似顔絵大岡.JPG

内面が優しいからしょうがない( ´ ▽ ` )ノ


その後は、原島博先生の顔を「黒の似顔絵」で書き始めたのですが、あとで出来上がった見せてもらおうと場所を離れてから聞いてみたところ、宿題にして持ち帰ったとのことでした。

「黒っぽさ」は出ていたので、どんな原島先生の黒の似顔絵が出来るのか?完成が楽しみです。

私も将来大岡さんに「黒の似顔絵」を描いてもらえるように深みのある人間にならないと!



南芳高さんは、らくがき風似顔絵に飽きたのか、中洲俊信さんの似顔絵切り絵を!

切り絵似顔絵.JPG

二つ折りにした紙をさささっと切ってこの完成度!
ナント、初めて切り絵による似顔絵をやってみたとのことでした。

これから新しいフィールドが広がっていくかもしれません。



特別講演2
【『素顔の総理を撮る』久保田富弘(前総理大臣官邸写真室長)】

実際に久保田さんが撮られた写真を見ないことには感じることができないのですが、どれもこれも「総理の感性を感じることができる」本当に素晴らしい写真でした。

(1)佐藤栄作総理 ノーベル平和賞の笑み
悪くは感じない眉頭のシワ(眉間のシワではない)、額のシワ、目尻のシワ、法令線、アゴのシワ、柔らかい頬、柔らかい目、伸びた眉毛…どれもこれもが大総理の表情を作るのに大切なシワであり形でした。
まだ作家だった頃の石原慎太郎さんを連れてゴルフをする写真も。


(2)田中角栄総理 日中国交回復
調印後の満面の笑みを浮かべた両首脳の乾杯。
角栄さんのほうがオーバーな表情で芝居がかっているように見え、周恩来首相のほうが少し固い笑顔に見えました。


(3)三木武夫総理 第一回サミット会議
三木総理を見つめる各国首脳の表情が印象的でした。

(4)福田赳夫総理 顔のかたち
日本武道館で営まれたご葬儀の際、斎場に掲げる遺影を少しばかり若返らせようと、デジタル画像処理でシワとシミを消し去ったら全く別人の顔になってしまったとのこと。結局“無修正”の顔に落ち着いたそうです。
本当に人の好さを感じる福田さんオンリーのシワとシミで、【顔訓13箇条】第10条「美しいシワと美しいハゲを人生の誇りとしよう。」に「美しいシミ」も付け加えたくなるくらい素敵な笑顔写真でした。


(5)大平正芳総理 破顔一笑
「はみかみ屋」だったとのこと。
笑顔が苦手なことがよくわかる下の歯が見える笑顔なんですが、本当に心から笑っているのが伝わる笑顔でした。


(6)中曽根康弘総理 ロンとヤスの絆
こちらは2人とも上の歯だけが見える理想的なスマイルでした。
ロン、ヤスとファーストネームで呼び合うのもそうですが、笑顔もアメリカナイズされていた中曽根さんでした。


(7)細川護熙総理 新しい風
家柄の良さを感じる品のあるお顔でした。


(8)村山富市総理 故郷でくつろぐ
トレードマークの長い眉毛がいつも以上に垂れているようでリラックスしたお顔でした。

(9)橋本龍太郎総理 みだれ髪
いつも整髪料でピシッと決めていた橋本さんの船上で向かい風が吹いた時の写真。
ドラマのワンシーンのような絵になる顔でした。


(10)小渕恵三総理 モナリザの微笑
ルーブル美術館の「モナリザ」の前に立った時の微笑み。
感動と感謝の顔をしていました。


ここ最近の総理大臣は就任後にどんどん悪い顔になると言われていますが、みなさん人格がにじみ出たいいお顔をされていました。


最後に撮影された久保田富弘さんの顔写真。
眉間がとても開いていて「和やかに気を許せる顔」をされていました。
このお顔だからこそ、素顔の総理を撮ることができ、
素顔の総理を撮るためにこのお顔になっていったのでしょう。


私も何度かプロのカメラマンに撮ってもらったことがありますが、カメラマンの顔って大事だと思います。

撮るカメラマンの顔によって私の顔が違っていて「顔はお互いの関係の中に存在するものである」と改めて感じることができました。



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